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第2回
がん成長抑える物質発見=免疫細胞が分泌―東大など

がんの成長を助長する異常な炎症反応を抑える物質を、東京大と大阪バイオサイエンス研究所、動物衛生研究所の研究チームが21日までに発見した。この物質は免疫細胞の一種が分泌する「プロスタグランジンD2(PGD2)」。働きを強めることができれば、新たな治療法になるという。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に発表される。
 
東大大学院農学生命科学研究科の村田幸久助教らは、がん組織で免疫細胞の一種「肥満細胞」にPGD2の合成酵素があることを発見。この合成酵素を作れないマウスを生み出したところ、がん組織で異常な炎症反応が起きたり、血管が新たに形成されたりして、がんの成長が速かった。 

この記事が、Yahoo等の最新ニュースで取り立たされました。
ではこの「プロスタグランジンD2(PGD2)」とは一体なんなのか?
どんな時に分泌するのか・・?そしてどうすれば強められるのか?

その答えが次の記事である。

睡眠は、ノンレム睡眠(徐波睡眠)とレム睡眠(逆説睡眠)の2種種に大別されます。ノンレム睡眠は大脳の活動がほとんど停止している状態、レム睡眠は全身は脱力状態にあるが脳の一部は活発に活動し夢を見ている状態です。この二つが一定の間隔で繰り返され私たちの眠りを形成しています。現在の科学では、脳波を測定する事により睡眠そのものを客観的数値として測定できるようになりました。

「長い時間起きていると、どんどん眠くなる。」誰もが体験するこの現象に着目して、20世紀初頭に日本の石森国臣博士とフランスのH.ピエロン博士は、それぞれ独自に、長時間断眠させたイヌの脳脊髄液を別のイヌの脳内に投与することでそのイヌが眠る事を発見し、断眠中に脳内に蓄積する「睡眠物質」の存在を予言しました。

「睡眠物質」とは自然な睡眠を誘発する内因性の物質であり、現在までに数十種が同定されています。当研究部が研究を進めているプロスタグランジン(PG)D2は、その中でも最も強力な睡眠誘発作用を有し分子レベルでの作用機構の研究が最も進んだ睡眠物質です。 PGD2は、脳を包むクモ膜と脳室内の脈絡叢で活発に産生された後、脳脊髄液に分泌されて、睡眠ホルモンとして脳内を循環します。さらに、前脳基底部のクモ膜に局在するPGD2受容体に作用して睡眠中枢を活性化し、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠を選択的に誘発します。つまり「眠る脳」は脳の実質ですが、「眠らせる脳」は膜組織と脳室やクモ膜下腔のような脳の周りを包む空間とそれを満たしている脳脊髄液なのです。

つまり脳から睡眠物質「PGD2」を多く出せば良いのである。
それには良質な睡眠が求められる。それには脳に良い睡眠。質の良い睡眠である。つまり睡眠時間をしっかり取って日々の脳の疲れを取って、副交感神経を優位にする睡眠、リラックスした睡眠がベストである。睡眠導入時にα波を誘発する睡眠が必要となる。
癌と睡眠の因果関係が、今明らかにされてきている昨今、睡眠の重要性をもっと訴えていかなければならないと思います。そして癌を少しでも減らせて行けたらな、と思います。