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第1回
人間の体内時計は25時間
安眠ドクターとして
最新の睡眠についてお話しよう。

人間の体内時計は25時間と言われている。
つまり人間は光の無いところで生活すると(例えば洞窟など)一日毎に1時間づつズレて行く。
12日間で、完璧に昼と夜が逆転する(12時間ズレるから)

それを毎日リセットし体内時計を24時間周期に戻しているのは、一体何なのか?

それは光である。
朝起きて光を浴びると(太陽の)その時点で時計が調節される。
これは目から光が入り脳に作用して体内時計が合わせられる。

では体内時計とは、そもそも何なのか?
お腹にあるのでは無い(それは腹時計だろ)
じゃあ脳にあるのか? それも微妙に違う。
一体何なんだ・・?

体内時計は脳の視床下部の視交叉上核に存在する遺伝子の中に存在する。
それを時計遺伝子と言う。

つまり人間は時計遺伝子によって支配されている。
朝、目が覚め、夜眠くなり、体温の調整から循環、免疫に至るまでこの遺伝子によって支配されているという。

人間が朝光を見る事によって遺伝子が正常な時間を刻み込む。

しかも人間の細胞には、全ての遺伝子に時計遺伝子が存在する。

その時計が全て一致しないと脳は朝なのに胃は夜、もしくは心臓が昼だと身体はバラバラに動き出し身体全体が機能しなくなる。
例えば、会社の自社ビルがあるとする。最上階の社長室の時計と一階の時計が合っていないと1日トラブルだらけになってしまうのと一緒のことだ。

ではどうやって身体の細胞に時計を合わせる司令を出すのか?

ここからが凄いところだ。

人間の遺伝子とは計りしれないものがある。

一体誰が、このように精密なものをプログラミングしたのか?

つまりヒトは遺伝子によって支配され、遺伝子が狂ったり損傷すれば病気になったり命を落としたりする。ガンも遺伝子の損傷から出来ると言われている。 

大脳の視床下部に在る時計遺伝子が、全身の細胞の時計遺伝子にどのように司令を下すのかというお話の続きですが

朝、太陽に光を浴びたと時計遺伝子は、その日の体内時計を24時間に設定し直します(前回の復習です)
そこで、この時計遺伝子が支配している睡眠、覚醒、体温、免疫などの内、体温が重要なKeyになってきます。
人間の24時間のバイオリズムの中に体温のリズムがあります。
正常な体温は、朝6時位が一番低く、夜の10時をピークに上がり続けます。
そしてそのピークを境に朝まで体温が下がり続けます。

つまり時計遺伝子が、体温を支配している為、体温のリズムがプログラミングされその体温によって全身の細胞の遺伝子の中の時計遺伝子に司令を出しているのでした。

それにより各臓器が同じ時間として働くという仕組みが出来上がっているのです。

つまり体内時計が狂うと体温も狂ってきます。例えば朝に体温が高くなったりし・・
そうなると全身の細胞の体内時計も同じ時間を刻む結果になるのです。

実に人間の遺伝子レベルでの仕組みは凄いものがあります。

人間が誕生して600万年と言われるが(本当か?)その間に勝ち組の遺伝子が生き残りそれが組み込まれてきた。
その一つに夜寝て昼活動するという時計遺伝子な訳だ。
それに逆らってはいけない。